生前対策というと、将来の相続税のご負担が少しでも少なくなるような節税対策をイメージされる方が多いかと思います。司法書士事務所では、信頼できる税理士の先生と連携させていただき、将来の相続に向けてお元気なあいだにどういった対策ができるか、ということをご提案させていただくことが可能です。
あくまで一例ですが、生前対策として考えられるものをいくつかご紹介いたします。
将来の相続税シミュレーション
資産をお持ちの方であっても、不動産や車などの資産については、相続においていくらと評価されるか、という点について正確に把握されている方は少ないと思います。
まずは、ご自身がお持ちの資産を整理して、現時点での財産額の総額・ポートフォリオを可視化することが大切です。いつ相続が発生するかは誰にもわかりませんが、ある時点を相続発生の時点と仮に設定し、その時点の財産額と相続税がどの程度発生するのかを想定しておくことをお勧めします。ご自身の世代で処分をしたい財産、また必ず次の世代に承継したい財産を区別し、実際に相続が発生した際に相続人の方が相続税の納税で困らないように納税資金を用意しておくなど、シミュレーションを通じてご検討いただければと思います。
※なお、資産の整理については司法書士事務所が担当し、相続税のシミュレーションについては弊所が連携させていただいている税理士の先生にお願いさせていただきます。シミュレーションに必要となる税理士の先生の費用については、事前にお見積りをお伝えいたします。
不動産の贈与登記
ご自身がお元気な間に、所有されている不動産の名義をどなたかに変更するという手続きです。実務上よくお見かけするのは、贈与税の非課税枠の範囲内で、少しずつ次の世代に不動産の名義変更を行うというケースです。生前に贈与をされることで、早い段階で次の世代がその不動産を活用できるというメリットがあります。
相続時精算課税制度を利用できるケースですと、一回で不動産の名義を次の世代に変更しても、税の負担が発生しない可能性もあります。(税金や税制度に関する具体的な内容については、税務署でのご相談あるいは税理士の先生へのご相談をお勧めしております。)
不動産の贈与登記については、司法書士事務所にて、贈与契約書の作成、登記申請の業務を承ります。
未公開株式の譲渡
上場している会社の株式(公開株式)であれば、相続発生時の資産額の評価も容易ですし、相続発生時に相続人の方に承継する手続きもそう苦労されないかと思います。
ただ、ご親族で上場していない会社を経営されており、お亡くなりになった方がその会社の株式を保有されていた場合、保有されている株式の割合にもよりますが、会社の運営に混乱が生じる可能性があります。時々、すでに役員としては退任しているから相続が発生しても会社の運営には問題ない、とお考えになる方もいらっしゃいますが、株式会社の場合、「役員」という立場と「株主」という立場はまったくの別物です。役員を退任していたとしても、株式を後継者の方に譲渡していなければ、上記で記載したような問題が生じる可能性があります。
会社の運営に支障がでないよう、一定の時期に後継者の方に株式を譲渡したり、遺言書で株式を承継する方をしておくことが重要です。司法書士事務所では、生前の株式譲渡契約書の作成や、遺言書の作成といった業務を承ることが可能です。